プロファイリング-6 「世界不可視的戦争」今すぐそこにある重大危機-6
Take a look at the war with the primitive tactics as same as 500 years ago(500年前と同じ戦術の戦争を見よ)!
■プロファイリング「世界不可視的戦争」-1
Oh it’s so easy(そんなの簡単だ)!
東仙坊、半月前、あの国の東部のホテルの一室にいた。
強行軍スケジュールと時差ボケ(爺さんボケではない、念のため)で寝つけず、ビール呑みつつ、読書していた。
藤原正彦「日本人の矜持 九人との対話」で、ビートたけしの数学力が本物なんだと驚愕させられ、「オー・イッツ・ソー・イージー」と思わないと人間の脳みそは働かなく、どんな難しい問題でも最初にそう思って自分を勇気づけることが、数学でも人生でも必要と言う話に感銘を受けていた。
そして、「フーン…」と煙草を吸いにまだ真っ暗なバルコニーへ出た。
「ウーッ!寒い。冗談じゃないよ。この国の人たちは、あれだけ肉を、ジャンクフードを食べ、あれだけビールを呑んで、何が健康、健康だよ。いい加減にしてくれよ。それでいて、それジョギングだ、エクスサイズだって?本当に、健康のために命を棄てられる、変なヒトたちだよ。オー寒!何だかこの国どんどん冷えてきている気がする…」
部屋に戻ると、つけっぱなしのCNNテレビが選挙じゃない放送をしていた。
「ヘーっ、珍しい」
思わず独り言が出ていた(なぜか最近独り言が増えた気がする?)。
CNN breaking newsで、「china' espionage(中国のスパイ活動)」、「対戦喰おう?」、「友人か?」、「ドンファンちゃん?」など、奇怪な単語が次々漏れてきて、画面に釘付けにされた。
ビールの空き缶が5本になっていた。
もしかしたら少し酔っぱらっていたかも知れない。
内容はだいたいこういうことだった。
2月11日、カリフォルニア州で、中国系米国人、Dong Fan Chung(ドン・ファン・チャン:72歳)が、スペースシャトル・デルタ4ロケット・B1爆撃機・C17輸送機の機密情報と軍事兵器売買機密情報を中国に漏洩したとして逮捕された。この男は「ロックウエル・インターナショナル」、「ボーイング社」のエンジニアとして30年以上働きながらスパイ活動をしていた。
同日、バージニア州で、国防省正規職員DSCA(防衛兵器政策)担当分析官のGreg Bergersen(グレッグ・バーガーセン:51歳)が、軍事兵器機密漏洩で逮捕され、買収した台湾系米国人のTai Shen Kuo(タイ・シェン・クオ:58歳)、中国人連絡員のYu Xin Kang(ユー・ジン・カン:33歳)も一緒に逮捕された。
これを観ていた東仙坊、この時はまだ、「だから、中国は急に宇宙開発ができて、有人宇宙船まで成功したんだ。相変わらず、中国らしいな。よくやるよな…やっぱり、中国人とは難しいかもな…」と、典型的お人好しの日本人状態だった。
だから、お昼の約束も忘れ、そのまま酔いと疲れに任せて眠り込んでしまった。
携帯電話で起こされたときは、約束の時間はすでに45分も過ぎていた。
「What a hell you doing? I’m waiting for you for long time(何してる?待ってるのに!)」
友人のD.I.の声が凄く大声に感じた。
そして、いつものイタ飯屋(それにしてもなぜいつもイタリアンなのか…)で、遅れたことにびびっていた東仙坊、テンションの上がったままのD.I.と赤ワインをガバガバ呑みながらbrunch(ブランチ)をして、あろうことか、ついにこの戦争のことを知るはめになったのである。
そもそも、東仙坊、D.I.の機嫌を何とか取ろうと、彼のお気に入りスパイTVドラマ「ALIAS(エイリアス)」主演女優ジェニファー・ガーナーの話をしたのが切っ掛けだった。
「エイリアスが終わったみたいだけど、ジェニファーは、『キングダム 見えざる敵』、『ジュノ』と、すっかり売れっ子になっちゃったね。それにしても、エイリアスもそうだけど、アナタの国のスパイネット網、滅茶苦茶で、防衛システムもだらしないね、ちょっと。そう、今朝ニュースで観たけど、中国のスパイに30年以上もいいようにされ、国防省職員まで中国に情報流して捕まったね…」
まさにやぶ蛇だった。前に書き込んだようにジャーナリストでもあるD.I.は烈火のごとく怒りだして言った。
彼がナプキンで口の周りをやたら拭きだしたときは、本当に危ない。
「バカ言うなよ。確かに我々は昔USSR(ソ連)の『GRU』にぐしゃぐしゃにされたことはあったけど、今は完璧だよ。今朝の中国スパイなんてそんなに我々に影響ないよ。ただ、今、我々が一番困っているのは、オマエの国のバカな内閣情報調査室職員や海上自衛隊隊員たちがロシアにイージス艦情報を漏らしたことなんだぞ!こっちはそのロシアと北極海でほとんど戦争状態になってるのに!防衛の最重要機密漏洩しやがって!いくらかけていると思ってるんだ?我々があのMD計画に…オマエの国だって、何10兆円もかけているのに、あれが機能しなくなったらどうするんだ?」
「何それ?何となく日本でやたらスパイが逮捕されたのは覚えているけど…北極海で、アナタの国とロシアと戦争って何?冗談だろ?そんな戦争の話なんて、全然知らないよ。第一、GRUって、あの地下鉄のバイオテロを起こして捕まっているキチガイ日本人宗教家(?)のことじゃないのか?」
それで、日本に帰る東仙坊に、呆れ返ったD.I.が渡してくれたのが、「Venona:Decoding Soviet Espionage in America(Yale Nota Bene) by Harvey Klehr & John Earl Haynes 」という一冊の本と2007年10月1日の「Time: Who Owns the Arctic(誰が北極を手にするのか)?」という一冊の雑誌だった。
「それから、NSA(国家安全保障局)のホームページも見ておいたほうがいいぞ。でも、ガッカリだな。オマエみたいな男がこの話しを全く知らなかったなんて…確か、去年だけだって、我々は7~8回はロシア機にスクランブルかけてる。ロシアは北朝鮮どころじゃない!去年のクリスマスの翌日には、新型ミサイルの実験までして、我々のMDシステムが、イージス艦が役立たずだぞと、嘲笑ったんだぞ!」
そのD.I.のおまけの一言が、本当は吃驚仰天して倒れそうだった東仙坊の負けず嫌い魂に火をつけてくれたのかも知れない。
帰りの飛行機の中で、一睡もせずに「VENONA」を読み続ける東仙坊を、フライトアテンダントたちが気味悪そうに横目でチェックして歩いていた。
その本には、冒頭から、GRUという単語がやたら出てきた。もちろん、alias(偽名)もあった。
そのせいか、度重なるturbulence(乱気流)のせいか、東仙坊、頭の中がグルグルになっていた。
「何が環境破壊だ!何が氷表面の減少だ!このままじゃ地球の破滅だ!本当に情けない!それにしても、何と我々はお人好しで、「いい子」何だろう?これじゃ、みっともない犯罪で我が国が壊れ切る前に、地球が壊れてしまう…」
東仙坊、ほとんどの乗客が眠っている機内の中で、思わず声を上げていた。
「まさかなぁ…あのどんどん溶け出している白い厚い(最近はもう薄いらしい)氷の下で、無尽蔵かのように思える天然資源の利権を巡り、どす黒い戦争が始まっているなんて…」
東仙坊は大きくため息をつくと、ボタンを押してフライトアテンダントを呼んだ。
「Would you do me a favor? Please bring me a cup of coffee(悪いけどコーヒーもらえる)」
「Sure!」
とすると、「このフライトアテンダントもその戦争のことを知っているのだろうか?」
東仙坊は変な気持ちだった。
It should be so easy for us to loose our earth earlier than to loose our nation(日本より先に地球が無くなるのは簡単だ)!
To be continued…
◎東仙坊へのメールはこちらへ◎
■プロファイリング「世界不可視的戦争」-1
Oh it’s so easy(そんなの簡単だ)!
東仙坊、半月前、あの国の東部のホテルの一室にいた。
強行軍スケジュールと時差ボケ(爺さんボケではない、念のため)で寝つけず、ビール呑みつつ、読書していた。
藤原正彦「日本人の矜持 九人との対話」で、ビートたけしの数学力が本物なんだと驚愕させられ、「オー・イッツ・ソー・イージー」と思わないと人間の脳みそは働かなく、どんな難しい問題でも最初にそう思って自分を勇気づけることが、数学でも人生でも必要と言う話に感銘を受けていた。
そして、「フーン…」と煙草を吸いにまだ真っ暗なバルコニーへ出た。
「ウーッ!寒い。冗談じゃないよ。この国の人たちは、あれだけ肉を、ジャンクフードを食べ、あれだけビールを呑んで、何が健康、健康だよ。いい加減にしてくれよ。それでいて、それジョギングだ、エクスサイズだって?本当に、健康のために命を棄てられる、変なヒトたちだよ。オー寒!何だかこの国どんどん冷えてきている気がする…」
部屋に戻ると、つけっぱなしのCNNテレビが選挙じゃない放送をしていた。
「ヘーっ、珍しい」
思わず独り言が出ていた(なぜか最近独り言が増えた気がする?)。
CNN breaking newsで、「china' espionage(中国のスパイ活動)」、「対戦喰おう?」、「友人か?」、「ドンファンちゃん?」など、奇怪な単語が次々漏れてきて、画面に釘付けにされた。
ビールの空き缶が5本になっていた。
もしかしたら少し酔っぱらっていたかも知れない。
内容はだいたいこういうことだった。
2月11日、カリフォルニア州で、中国系米国人、Dong Fan Chung(ドン・ファン・チャン:72歳)が、スペースシャトル・デルタ4ロケット・B1爆撃機・C17輸送機の機密情報と軍事兵器売買機密情報を中国に漏洩したとして逮捕された。この男は「ロックウエル・インターナショナル」、「ボーイング社」のエンジニアとして30年以上働きながらスパイ活動をしていた。
同日、バージニア州で、国防省正規職員DSCA(防衛兵器政策)担当分析官のGreg Bergersen(グレッグ・バーガーセン:51歳)が、軍事兵器機密漏洩で逮捕され、買収した台湾系米国人のTai Shen Kuo(タイ・シェン・クオ:58歳)、中国人連絡員のYu Xin Kang(ユー・ジン・カン:33歳)も一緒に逮捕された。
これを観ていた東仙坊、この時はまだ、「だから、中国は急に宇宙開発ができて、有人宇宙船まで成功したんだ。相変わらず、中国らしいな。よくやるよな…やっぱり、中国人とは難しいかもな…」と、典型的お人好しの日本人状態だった。
だから、お昼の約束も忘れ、そのまま酔いと疲れに任せて眠り込んでしまった。
携帯電話で起こされたときは、約束の時間はすでに45分も過ぎていた。
「What a hell you doing? I’m waiting for you for long time(何してる?待ってるのに!)」
友人のD.I.の声が凄く大声に感じた。
そして、いつものイタ飯屋(それにしてもなぜいつもイタリアンなのか…)で、遅れたことにびびっていた東仙坊、テンションの上がったままのD.I.と赤ワインをガバガバ呑みながらbrunch(ブランチ)をして、あろうことか、ついにこの戦争のことを知るはめになったのである。
そもそも、東仙坊、D.I.の機嫌を何とか取ろうと、彼のお気に入りスパイTVドラマ「ALIAS(エイリアス)」主演女優ジェニファー・ガーナーの話をしたのが切っ掛けだった。
「エイリアスが終わったみたいだけど、ジェニファーは、『キングダム 見えざる敵』、『ジュノ』と、すっかり売れっ子になっちゃったね。それにしても、エイリアスもそうだけど、アナタの国のスパイネット網、滅茶苦茶で、防衛システムもだらしないね、ちょっと。そう、今朝ニュースで観たけど、中国のスパイに30年以上もいいようにされ、国防省職員まで中国に情報流して捕まったね…」
まさにやぶ蛇だった。前に書き込んだようにジャーナリストでもあるD.I.は烈火のごとく怒りだして言った。
彼がナプキンで口の周りをやたら拭きだしたときは、本当に危ない。
「バカ言うなよ。確かに我々は昔USSR(ソ連)の『GRU』にぐしゃぐしゃにされたことはあったけど、今は完璧だよ。今朝の中国スパイなんてそんなに我々に影響ないよ。ただ、今、我々が一番困っているのは、オマエの国のバカな内閣情報調査室職員や海上自衛隊隊員たちがロシアにイージス艦情報を漏らしたことなんだぞ!こっちはそのロシアと北極海でほとんど戦争状態になってるのに!防衛の最重要機密漏洩しやがって!いくらかけていると思ってるんだ?我々があのMD計画に…オマエの国だって、何10兆円もかけているのに、あれが機能しなくなったらどうするんだ?」
「何それ?何となく日本でやたらスパイが逮捕されたのは覚えているけど…北極海で、アナタの国とロシアと戦争って何?冗談だろ?そんな戦争の話なんて、全然知らないよ。第一、GRUって、あの地下鉄のバイオテロを起こして捕まっているキチガイ日本人宗教家(?)のことじゃないのか?」
それで、日本に帰る東仙坊に、呆れ返ったD.I.が渡してくれたのが、「Venona:Decoding Soviet Espionage in America(Yale Nota Bene) by Harvey Klehr & John Earl Haynes 」という一冊の本と2007年10月1日の「Time: Who Owns the Arctic(誰が北極を手にするのか)?」という一冊の雑誌だった。
「それから、NSA(国家安全保障局)のホームページも見ておいたほうがいいぞ。でも、ガッカリだな。オマエみたいな男がこの話しを全く知らなかったなんて…確か、去年だけだって、我々は7~8回はロシア機にスクランブルかけてる。ロシアは北朝鮮どころじゃない!去年のクリスマスの翌日には、新型ミサイルの実験までして、我々のMDシステムが、イージス艦が役立たずだぞと、嘲笑ったんだぞ!」
そのD.I.のおまけの一言が、本当は吃驚仰天して倒れそうだった東仙坊の負けず嫌い魂に火をつけてくれたのかも知れない。
帰りの飛行機の中で、一睡もせずに「VENONA」を読み続ける東仙坊を、フライトアテンダントたちが気味悪そうに横目でチェックして歩いていた。
その本には、冒頭から、GRUという単語がやたら出てきた。もちろん、alias(偽名)もあった。
そのせいか、度重なるturbulence(乱気流)のせいか、東仙坊、頭の中がグルグルになっていた。
「何が環境破壊だ!何が氷表面の減少だ!このままじゃ地球の破滅だ!本当に情けない!それにしても、何と我々はお人好しで、「いい子」何だろう?これじゃ、みっともない犯罪で我が国が壊れ切る前に、地球が壊れてしまう…」
東仙坊、ほとんどの乗客が眠っている機内の中で、思わず声を上げていた。
「まさかなぁ…あのどんどん溶け出している白い厚い(最近はもう薄いらしい)氷の下で、無尽蔵かのように思える天然資源の利権を巡り、どす黒い戦争が始まっているなんて…」
東仙坊は大きくため息をつくと、ボタンを押してフライトアテンダントを呼んだ。
「Would you do me a favor? Please bring me a cup of coffee(悪いけどコーヒーもらえる)」
「Sure!」
とすると、「このフライトアテンダントもその戦争のことを知っているのだろうか?」
東仙坊は変な気持ちだった。
It should be so easy for us to loose our earth earlier than to loose our nation(日本より先に地球が無くなるのは簡単だ)!
To be continued…
◎東仙坊へのメールはこちらへ◎