真実イチロー 試合勘維持の難しさ「言わずもがな、でしょう」!?
A real man silently would give beer and affection to others(本物の男は黙ってビールと愛情を人に与えるもの)!
そして、ボクがイチのことでどうしても伝えたい話がある。
ボクは引退して数日後の2014年10月の始め、自分のロッカーを整理しにヤンキースタジアムに行った。
スタッフ数人がいるだけで、スタジアムはメチャクチャ静かだった。
その年、残念なことに我々ヤンキースはプレーオフ進出が叶わなかった。
すでにほとんどのチームメイトたちは12月、来年1月までリラックスしたいとちょっとしたバケーションに出かけていた。
そんなスタジアムで、偶然、バッティングケージに向かって歩いているイチを見て驚かされた。
そして、思った、イチも少なくとも2、3日ぐらいは休暇を取ればいいのに…と。
そのころまでには、イチの英語はかなり上達していた。
それなのに、遠征にはいつもまだ通訳を同行させていた。
通訳を必要とするときなど全くなくてもである。
ともあれ、2人の間だけで話す機会はかなり増えてもいた。
そんななかで、ボクにとって一生忘れられないイチとの瞬間がある。
2012年のアメリカンリーグチャンピオンシリーズでの第1戦の試合中のこと。
ボクは足首を折った。
12回の表、ゴロを捕球しに行って足首の折れる音を聞いた。
人に抱えられX線検査と足首を冷やすために試合を離れクラブハウスに戻った。
その間に、タイガースが2点を取り、ほどなく我々ヤンキースは4-6で敗戦したことを知った。
試合終了後、クラブハウスの横にある小さな部屋でボクは着替えながら、いろいろそのシーズンへの思いを馳せていた。
すると、突然、そこへイチが通訳と一緒に現れ、ボクの隣に座って、ボクの足首について尋ねてきたので、
“折れた。 I'm finished(終わりだ)”と返事をした。
すると、イチは頷いたもののなぜか一言も発しなかった。
すでに足首を冷やすことを終えていたので、ボクには時間がタップリあった。
それに、アメリカンリーグチャンピオンシリーズを勝ち続けるつもりだったから、どこにも行く予定もなかった。
もっとも例え予定があっても、松葉杖では行けなかったが…。
とにかく、我々のシーズンは終わり、ボクが来シーズンまでプレーできないことだけは確かだった。
まもなく、クラブハウスにはほとんど誰もいなくなった。
それでも、ボクはイチとイチの通訳と3人でずっと黙ったままでいた。
そのとき、イチがまだユニフォームのままであることにボクは気づいた。
やがて、ボクがなんとか立ち上がり荷物を手に持ち、松葉杖でクラブハウスを出てようやく気づいた。
そうして、ボクは初めてイチがボクがちゃんと帰れるかどうかを心配しずっと見守ってくれていたんだと。
なぜなら、ボクが立ち上がると、イチもまた立ち上がったからだった。
余計な慰めの言葉も言わず、黙ったまま見守るだけ…。
ボクは、そんな相手への敬意の払い方、思いやりの表し方があることをそれまで本当に知らなかった。
もしかしたら、その夜、イチは喋りすぎで疲れていただけなのかも知れないが…。
どうかそれを確かめたい人は直接イチに訊いてほしい。
どうあれ、イチが沈黙のままボクに見せてくれたのがイチの精一杯の思いやりと感じた自分の考えが好きだ。
とにかく、一人のアスリートとして、そして、一人の人間としてイチローについて考えるとき、長い間二塁ベース上で交わした短いイチとの会話、チームメイトとして一緒に費やした時間、あの夜の2人の間の沈黙で交わした瞬間、それらを他の何よりも自分にとってのかけがえのないものとして思い出す。
ボクはイチローに脱帽している。
イチは人生において一度現れるかどうかの本物の男だ。
きっとイチのような男を誰も今まで見たことがないはず。
正直言って、おそらくこれからもイチのような男とは二度と出会えないはず。
ボクのある部分は、イチに “I hope you get to enjoy some time off soon(イチよ、すぐに休みを謳歌すれば)”と伝えたがっているが、それをイチが聞きたがらないということをボクはよく理解している。
そんなボクでも、イチがいつ野球を辞めるかなんて全く想像もできない。
Derek Jeter
I was deeply moved by Drank Jeter's frank tribute to Ichiro(デレク・ジーターのイチローへの率直な賛辞にメチャクチャ感動)!
To be continued...
そして、ボクがイチのことでどうしても伝えたい話がある。
ボクは引退して数日後の2014年10月の始め、自分のロッカーを整理しにヤンキースタジアムに行った。
スタッフ数人がいるだけで、スタジアムはメチャクチャ静かだった。
その年、残念なことに我々ヤンキースはプレーオフ進出が叶わなかった。
すでにほとんどのチームメイトたちは12月、来年1月までリラックスしたいとちょっとしたバケーションに出かけていた。
そんなスタジアムで、偶然、バッティングケージに向かって歩いているイチを見て驚かされた。
そして、思った、イチも少なくとも2、3日ぐらいは休暇を取ればいいのに…と。
そのころまでには、イチの英語はかなり上達していた。
それなのに、遠征にはいつもまだ通訳を同行させていた。
通訳を必要とするときなど全くなくてもである。
ともあれ、2人の間だけで話す機会はかなり増えてもいた。
そんななかで、ボクにとって一生忘れられないイチとの瞬間がある。
2012年のアメリカンリーグチャンピオンシリーズでの第1戦の試合中のこと。
ボクは足首を折った。
12回の表、ゴロを捕球しに行って足首の折れる音を聞いた。
人に抱えられX線検査と足首を冷やすために試合を離れクラブハウスに戻った。
その間に、タイガースが2点を取り、ほどなく我々ヤンキースは4-6で敗戦したことを知った。
試合終了後、クラブハウスの横にある小さな部屋でボクは着替えながら、いろいろそのシーズンへの思いを馳せていた。
すると、突然、そこへイチが通訳と一緒に現れ、ボクの隣に座って、ボクの足首について尋ねてきたので、
“折れた。 I'm finished(終わりだ)”と返事をした。
すると、イチは頷いたもののなぜか一言も発しなかった。
すでに足首を冷やすことを終えていたので、ボクには時間がタップリあった。
それに、アメリカンリーグチャンピオンシリーズを勝ち続けるつもりだったから、どこにも行く予定もなかった。
もっとも例え予定があっても、松葉杖では行けなかったが…。
とにかく、我々のシーズンは終わり、ボクが来シーズンまでプレーできないことだけは確かだった。
まもなく、クラブハウスにはほとんど誰もいなくなった。
それでも、ボクはイチとイチの通訳と3人でずっと黙ったままでいた。
そのとき、イチがまだユニフォームのままであることにボクは気づいた。
やがて、ボクがなんとか立ち上がり荷物を手に持ち、松葉杖でクラブハウスを出てようやく気づいた。
そうして、ボクは初めてイチがボクがちゃんと帰れるかどうかを心配しずっと見守ってくれていたんだと。
なぜなら、ボクが立ち上がると、イチもまた立ち上がったからだった。
余計な慰めの言葉も言わず、黙ったまま見守るだけ…。
ボクは、そんな相手への敬意の払い方、思いやりの表し方があることをそれまで本当に知らなかった。
もしかしたら、その夜、イチは喋りすぎで疲れていただけなのかも知れないが…。
どうかそれを確かめたい人は直接イチに訊いてほしい。
どうあれ、イチが沈黙のままボクに見せてくれたのがイチの精一杯の思いやりと感じた自分の考えが好きだ。
とにかく、一人のアスリートとして、そして、一人の人間としてイチローについて考えるとき、長い間二塁ベース上で交わした短いイチとの会話、チームメイトとして一緒に費やした時間、あの夜の2人の間の沈黙で交わした瞬間、それらを他の何よりも自分にとってのかけがえのないものとして思い出す。
ボクはイチローに脱帽している。
イチは人生において一度現れるかどうかの本物の男だ。
きっとイチのような男を誰も今まで見たことがないはず。
正直言って、おそらくこれからもイチのような男とは二度と出会えないはず。
ボクのある部分は、イチに “I hope you get to enjoy some time off soon(イチよ、すぐに休みを謳歌すれば)”と伝えたがっているが、それをイチが聞きたがらないということをボクはよく理解している。
そんなボクでも、イチがいつ野球を辞めるかなんて全く想像もできない。
Derek Jeter
I was deeply moved by Drank Jeter's frank tribute to Ichiro(デレク・ジーターのイチローへの率直な賛辞にメチャクチャ感動)!
To be continued...